おかげさまで、創立70周年。

一般社団法人 愛知広告協会

2014年5月開催終了 第62回全広連名古屋大会

第11回(令和5年度)
愛広協実践広告ワークショップ 実施報告


※ホームページ制作の都合でPPTファイルで制作された方もPDFファイルに変換しております。

テーマ

「広告を仕事にする」

第11回(令和5年度)愛広協実践広告ワークショップは、2月17日(土)に第1講座、3月23日(土)に第2講座を19名の受講生を集め、無事終了しました。

 今回名古屋鉄道(株)の講師から出された課題は、「名鉄グループの認知・理解・ブランドイメージを向上させる施策の提案」というもので、難題だったにもかかわらず、独創的なアイディアが多数発表されました。

 講座終了後、ただちに審査会を開催し、『AICHI AD AWARDS 2024 学生広告賞』の選定を実施。4月の愛知広告協会定例理事会での承認を得て、グランプリ、準グランプリをはじめとする各賞を決定しました。

実施概要

名称

第11回(令和5年度)

愛広協実践広告ワークショップ―広告を仕事にする

主催

一般社団法人 愛知広告協会

協力

株式会社新東通信、公益社団法人全日本広告連盟

目的

広告業界を目指す人材の育成を目的とした、学生を対象にした広告ワークショップ。講座内では実践的な課題を提示しコンペティションを実施する、広告業界の"今"を学ぶ講座の開設。

開催場所

株式会社新東通信名古屋本社

講座日程

第1講座[2月17日(土) 9:50~17:30]

名古屋鉄道(株)1名、クリエーター2名の計3名の講師から広告業界の現在の環境をレクチャー、プレゼンテーション課題を発表。

第2講座[3月23日(土) 9:50~16:30]

審査員と受講生を前に一人7分の制限時間内に「制作した広告作品」をプレゼンする。

受講生

公開応募による、愛知県下の専門学校・大学6校の学生

第1講座:19名

第2講座:12名

講義風景

《第1回講座 2月17日(土)》

プレゼン審査風景

《第2回講座 3月23日(土)》


課題テーマ

「名鉄グループの認知・理解・ブランドイメージを向上させる施策の提案」

講師及び審査員プロフィール(敬称略)

《講師及び審査員》

遠藤 昌宣 えんどう まさのり

名古屋鉄道株式会社

グループマーケティング部 担当部長

2006年~2013年:カタログ通販ニッセンを経て、2014年~博報堂・博報堂DYメディアパートナーズに勤務。ダイレクトマーケティングビジネス、データドリブンプランニング等、ダイレクト・デジタル・データを駆使したソリューションにてクライアント業務を担当。その後、2022年~名古屋鉄道(株)グループマーケティング部に配属。名古屋鉄道グループ全体のマーケティング活性化、プラットフォーム構築等の導入を目的にグループマーケティング部部長職。現在は、名古屋鉄道㈱にて昼夜、鉄道・タクシー・ホテル・レジャー施設・商業施設etc.で「マーケティングとは何か?」を追求する日々。

須田 和博 すだ かずひろ

株式会社博報堂

プランド・イノベーションデザイン局/UoC

エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表

1967年新潟県生まれ。1990年博報堂入社。アートディレクター、CMプランナーを経て、2005年よりインタラクティブ領域へ。2009年「ミクシィ年賀状」でTIAAグランプリ。2014年スダラボ発足。同ラボ第1弾「ライスコード」でアドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど国内外で70以上の広告賞を受賞。2016~17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。2019年「MRミュージアム」で日本イベント大賞グランプリ。2021年より博報堂UoC複属。2023年より多摩美術大学・非常勤講師、および内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)ピアレビュー委員。著書「使ってもらえる広告」アスキー新書。

𡈽橋 通仁 どばし みちひと

株式会社 電通中部オフィス

クリエーティブディレクター/アートディレクター

名古屋の山崎デザイン事務所に10年間在籍。2008年電通中部支社入社。近年の仕事は、メニコン/シヤチハタ/中京TV/藤田医科大学/三和交通・TAXI WHISTLE/葵鐘会・Mother Book/マクドナルドハウスを名大病院へ2億円募金CP/他多数。賞歴は、カンヌライオンズ・グランプリ他、国内外で多数。カンヌ審査員等多数歴任。

審査員講評

遠藤 昌宣

 

名古屋鉄道株式会社
グループマーケティング部 担当部長

この度のワークショップに参加させていただき、誠にありがとうございました。

また、取り組んでいただいた各校の学生の皆様にも、心より感謝申し上げます。

ワークショップ内でのコメントでも何度か申し上げましたが、1か月の間、卒業論文や作品制作と並行して、テーマについて真剣にご検討いただき、改めて御礼申し上げます。

私は広告代理店出身であり、現在は事業会社に勤務しておりますので、両方の視点から今回のワークショップを拝見してまいりました。その中で、やはり「広告」の定義がそれぞれによって異なることや、皆様の受け止め方を冷静に観察しておりました。

ディスカッションでも申し上げたかと思いますが、私の理解では「広告」はあくまでもマーケティングの一環であり、単に面白いクリエイティブやキャッチコピーを作成することだけが「広告」ではないと考えております。

その上で、皆様のプレゼンテーションを拝見しておりますと、課題に対するインサイトや本質を、大なり小なり調査し、その背景や深堀を行い、自分なりの考察や示唆を加え、キャンペーンアイデアやスキームアイデアに落とし込もうとしているプロセスは、広告業界に限らず、社会の中でのどの仕事にも通じるものであり、今の段階でそれを自然とアウトプットされていることに感銘を覚えました。

「きちんとマーケティングになっているな」と感じましたので、弊社の若手に聞かせてあげたいと思い、実際、会社内で若手や上役に共有いたしました。また、ある企画については、純粋に実施することも検討しております。

我々から提示したテーマは、今回のワークショップだけに向けたものではなく、弊社の本質的な課題となっております。皆様のプレゼンテーションや内容は、改めてショッキングな事実の確認と、やわらかいアイデア、プレゼンテーションのクオリティに驚かされました。そのままその業界で働かれても十分通用するのでは?と思えるものでした。

「広告業界で働きたい」というご意見の学生さんが多かったように思います。ぜひプロになられて、中部圏の活性化とともに名古屋鉄道に提案していただける日をお待ちしております。

最後に、愛知広告協会、新東通信の皆様、事務局、運営の皆様、ご苦労があったかと思いますが、この度は参加させていただき、誠にありがとうございました。

テーマのプレゼンテーション以外にも、多くの気づきがあり、有意義な会に参加させていただいたと思っております。

重ね重ねではございますが、御礼申し上げます。この度はありがとうございました。

須田 和博

 

株式会社博報堂

ブランド・イノベーションデザイン局/UoC

エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表

今年もたくさんの力作、ありがとうございました。第1講座でも、第2講座こと作品プレゼンの場でも、いろんなことをしゃべりましたが、少しでも皆さんの役に立つことが伝えられたなら良かったと思います。ここでは全体を通じてもっとも重要だと思った3つのことについて、まとめさせていただきます。

 

1.ヒトの話をよく聞いて、その通りにしない。

プレゼン講評の場で何名かの方に「このアイデアを端的に言葉にしたコピーが入ってた方が伝わったのに」と言いました。後のQ&Aの場で、それは「学校で指導してくださってる先生からの助言で削除した」というようないきさつも聞きました。これは非常に重要なポイントだな、と感じました。

自分も昨年度から東京の多摩美大で教えています。学生の作品プレゼンに助言もします。今どきの学生は、自分が学生だった時代のように反抗的でないので、割と助言を素直に受け入れます。そのこと自体は悪いことではないですが、果たして、それで大丈夫か?自分の中に判断基準がない場合、指導的立場にある人の助言つまり、その年配者の発想を鵜飲みにしてしまう。

これは自分も含めてですが、20年30年皆さんより先に生きた人の感覚をそのまま信用して、現在のコミュニケーションとして通用するのだろうか?という疑問です。なので自分の多摩美の授業では、教える立場の自分の意見だけでなく、同世代の同級生の意見を大量に浴びてもらうように意識的な仕組みを設けています。それらを同列に受けとめて、自分が何をチョイスするか?なぜその意見をチョイスするのか?その判断と理由が、もっとも重要だと思っています。

「お客様の話をよく聞いて、その通りにしない」という格言が、博報堂には伝統的にあります。生活総研の初代所長である東海林隆さんの言葉です。これは、スティーブ・ジョブスの「ユーザーは形にして見せてもらうまで、自分が何を欲しいのかわからない」と同じ意味のことを言っています。この言葉をややパロディにして「先生の話をよく聞いて、その通りにしない」という格言を皆さんに贈ります。これは自戒の念も込めてですが、先生だってすべてわかっているわけではないです。何より、これは「あなた」の作品であり、提案だからです。

 

2.「これで、わかるか?」という自問を最後まで続ける。

1とも関係しますが、結局、提案する企画の質もプレゼンの質も、この自問自答をどれだけ繰り返しできたか?が決定します。安易に「コレで、わかるだろ!」と思考とツメを終了させて後悔した人が参加生の中にもいたはずです。全員プレゼンの場で他の人の提案を見て、そのことに気づき「しまった!くやしい!」と思うことが成長の元です。

いくつかの案を考えて「どの案が、わかってもらえるかな?」と、自分の思考を客観的にあつかい案の選択を考える。その案をロジックのページネーションや、ビジュアルとコピーにしてみて「これで、わかってもらえるかな?本当に、わかってもらえるかな?」と、自分を突き放して見直す。「ん?ていうか、この案って面白いんだろうか?」と、ふと我に返って絶望的な気持ちになる。「いや、大丈夫だ」と気を持ち直す。そういったループを何回繰り返せるか。

絶望はマストではないですが、自分を突き放して客観視するのはマストです。もっとチャンと客観視を導入するなら、なにも事情やオリエンを知らない人に見てもらうなり、説明を聞いてもらうなりして、通用するかどうかを調べるのは有効です。その際も、上記1の「ヒトの話をよく聞いて、その通りにしない」をお忘れなく。通りすがりの人だって、友達だって親御さんだって、すべてわかっているわけではないです。どの客観的意見を聞いて、どの客観的意見を聞かないか。その判断が大事。その判断が「あなた」の提案を決定します。

 

3.頭にわかりやすく、目にわかりやすく。

最後に、このコンペが実践広告ワークショップであり、広告的なコミュニケーションを体験的に学び始めるものだからこそ大事なことを明記します。それが、この「頭にわかりやすく、目にわかりやすく」です。上の句「頭にわかりやすく」は提案を受ける人のために重要です。それはクライアントであり、その前に職場でまずあなたの案を聞いてくれる上司であり、発案者とは別な立ち位置で、その案の実施可否や採用不採用を決める方です。「何を、なぜ、実施するか?」のロジックが、わかりやすく通っていることが大事です。

かたや「目にわかりやすく」は、その広告的コミュニケーションに接する一般ユーザーにとって重要です。名鉄の電車にたまたま乗っている人や、名鉄グループのお店や観光地や駐車場にたまたまい合わせて、あなたの案の実施に接触する人です。この方々は提案のロジックを聞きません。通りすがりに1秒未満の時間で、視界の片隅で、あなたのクリエイティブを目にするか、しないかギリギリの方々です。

あなたがコミュニケーションの仕事に就く場合、本当に相手にしているのは、この一般の方々です。その方に、出会い頭の一瞬でわかってもらい、気づいてもらい、好きになってもらう。そうなれるか、どうか。そこがずっと問われ続けるのが「広告を仕事にする」ということです。それが醍醐味だと思える人には適職であり、それがツラいと思える人には向いてない仕事です。

 

以上です。今回、参加生が例年より少なかったのは「広告を仕事にする」という、このワークショップのタイトルそのものが、今日、魅力的でないのではないか?という危惧が運営側や審査員である我々側で議論されました。なので、第1講座の自分のコマは「広告を作る仕事が魅力的であるということが自明でない」という視点で、例年とは微妙に構成を変えました。ただ「広告」という2文字が、いま魅力的でないとしても、すでに「いまの広告のメインフィールド」は、そこにありません。かつて広告と見なされていたものから、拡張し逸脱し、もっとユーザーの近くに寄り添おうとしているもの。それこそが、いまの広告的コミュニケーションです。

だから、正確に書くなら本ワークショップのタイトルは、いまや「広告的コミュニケーションを仕事にする」になります。その仕事は従来の広告業の範囲内におさまっていないので、より広範囲な職種となります。メディア、マーケティング、コミュニケーション、イノベーションなどなど。今日的なテクノロジー・メディア全般における、サービスの企画開発とその伝播拡散の全体が仕事領域だといえます。

何度目の大変化なんだろう?という時代が、今またやって来ています。今度きたのは「生成AI」の時代です。どんな時代変化、テクノロジー進化の大波が来ても、上記の3つのポイントで「自分という人間として判断し続ける」、AIには仕事をサポートしてもらうが「自分という人間の判断で、AIにダメだしをし続ける」、そういう基本を維持できれば、皆さんの主な就業期間であるこの先40年の間に、どんな大変化が来ても、やっていけると思います。願わくば、この実践講座が、その40年間のお役に立てることを祈って。

 

ご参加、ありがとうございました。

 

𡈽橋 通仁

 

株式会社電通中部支社

クリエーティブディレクター/アートディレクター

参加してくれた学生の皆さん、本当におつかれさまでした。

ぜひ後輩や友人に「マーティング、プランニング、デザイン、ブランディングというキーワードに興味があり、人の役にたつアイデアを考えることに興味がある人は参加すべきワークショップだよ」ってことをお伝えください。

「業界で活躍されている企業の方に毎年お越しいただきオリエンしていただく→参加学生のみなさんが企画、アイデア、ものづくりを考えてプレゼン→大手広告代理店のクリエーティブディレクターがその場でアドバイスする。」という全国でも希少な経験をできる場だと思っています。それを多くの方達に知って欲しいのです。

今年も参加学生のみなさんのレベルが高くて驚きましたし、学生のみなさんのプレゼンを通じて、普段からみなさんを支える学校の先生たちの熱量もそこはかとなく感じ取れました。

今年出題クライアントとしてご参加いただいた名古屋鉄道の遠藤さんは「ユニークなアイデアがあれば、カタチにできないだろうか?」と真剣に考えてくださっていましたし、部下の本田さんは2日ともワークショップに参加し見守ってくれていました。

この取り組みを毎年支えてくれている運営側の愛知広告協会のみなさんや新東通信さんをはじめとするサポート陣営のみなさまには感謝しかありません。

それらの想いを受けて、講義や審査をさせていただく須田さんや私も真剣勝負です。

これらを経験し「このワークショップを多くの人に知って欲しいな」とあらためて思ったのでお願いを書かせていただきました。携わっていただいているみなさんのおかげです。

学生のみなさんには「もう一歩だけアイデアをひろげたり、ジャンプさせようとする視野が持てれば、さらに良くなるよ」とアドバイスさせていただきました。社会に出てからも今回のワークショップの経験をぜひ活かしてください。そして近い将来、みなさんとご一緒させていただける日を心待ちにしています。

AICHI AD AWARDS 2024 広告デザイン専門学校学生広告賞 受賞作品はこちら >
※ホームページ制作の都合でPPTファイルで制作された方もPDFファイルに変換しております。

過去の実施報告