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第13回愛広協実践広告ワークショップは、2月7日(土)第1講座に24名、3月7日(土)第2講座に22名の受講生が参加し、開催しました。
今回ホーユー加藤講師から出された課題は、「大学・専門学校生(女性)のヘアカラーにセルフカラーを使わせる、コミュニケーション戦略と具体的なクリエイティブの提案」「ぶっとんだクリエイティブを募集します」というもので、難題だったにもかかわらず、独創的なアイディアが多数発表されました。
講座終了後、ただちに審査会を開催し、『AICHI AD AWARDS 2026 学生広告賞』の選定を実施。4月の愛知広告協会定例理事会での承認を得て、グランプリ、準グランプリをはじめとする各賞を決定しました。
第13回
愛広協実践広告ワークショップ―「マーケティング&クリエイティブ」
一般社団法人 愛知広告協会
株式会社新東通信、株式会社インディ・アソシエイツ、公益社団法人全日本広告連盟
マーケティング&クリエイティブに関心のある、学生を対象にした広告ワークショップ。講座内では実践的な課題を提示しコンペティションを実施する、広告業界の"今"を学ぶ講座の開設。
株式会社新東通信名古屋本社
第1講座[2月7日(土) 9:50~17:30]
ホーユー(株)1名、クリエイター2名の計3名の講師から広告業界の現在の環境をレクチャー、プレゼンテーション課題を発表。
第2講座[3月7日(土) 9:50~16:30]
審査員と受講生を前に一人7分の制限時間内に「制作した広告作品」をプレゼンする。
公開応募による、愛知県下の専門学校・大学の学生
第1講座:24名
第2講座:22名
「大学・専門学校生(女性)のヘアカラーにセルフカラーを使わせる、コミュニケーション戦略と具体的なクリエイティブの提案」ぶっとんだクリエイティブを募集します
ホーユー株式会社
コンシューマビジネスカンパニー
マーケティング本部 本部長
愛知県生まれ
1993年 サンスター株式会社入社
入社以来 オーラルケア・新規事業のマーケティングに従事。
2005年 ホーユー株式会社に転職
市販品ヘアカラーのマーケティング、新規事業開発に携わる。
2024年より現職。
主力の市販品ヘアカラーのマーケティングに加え、ヘアケア領域も管轄。
カラー&ケアでお客様に新しい驚きを届け、自信の持てる髪を提供する為、日々奔走して
いる。
株式会社博報堂
UoC/エグゼクティブ・クリエイティブディレクター
1967年新潟県生まれ。1990年博報堂入社。アートディレクター、CMプランナーを経て、2005年よりインタラクティブ領域へ。2009年「ミクシィ年賀状」でTIAAグランプリ。2014年スダラボ発足。第1弾「ライスコード」でアドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど国内外で70以上の広告賞を受賞。2016~17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。2019年「MRミュージアム」で日本イベント大賞グランプリ。2021年より博報堂UoC所属。2023年より多摩美術大学・非常勤講師、および内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)ピアレビュー委員。著書「使ってもらえる広告」
株式会社電通 中部オフィス
クリエイティブディレクター/アートディレクター
山崎デザインyd-c.comに10年在籍→独立→2008年電通入社。クライアントは中京TV/シヤチハタ/藤田医科大学/中日新聞社/Dream Capsule/他多数。名古屋を拠点にチームを牽引し世界最大のクリエイティブアワード・カンヌライオンズでグランプリ・金賞・他多数受賞。チームでのクライアント仕事が各国のアワードで高い評価を受け続けると審査員としても招聘され、カンヌライオンズ/ワンショーNY/NYフェスティバル/アドフェスト/全日本広告連盟 等 多数の審査を歴任。ローカルからグローバルへクリエイティブの魅力を講演。eight awards創設や学生WSで若手を育成支援中。
学生の本気と情熱に触れたワークショップ
今回の課題は「大学・専門学校生にセルフヘアカラーを使わせるコミュニケーション戦略の提案」。
等身大の課題とはいえ検討期間1カ月(実質の提出日までは3週間)は、かなり厳しかったと推察しますが、
全員が本気で挑んでくれたことが嬉しく、しかもアウトプットは感情を本当にゆさぶられるものばかりでした。
非常に興味深く、視点やストーリーにおいてはこちらが勉強になるほど、レベルも質も高かったです。
私はマーケティング目線(主に以下の点)でみなさんのプレゼンを聞かせてもらいました。
「ターゲットの声が聞けているか?」→「ゴールと現状のGAPは?」→「突くべき問題点は?」→
「課題設定は適切か?」 →「対策全体(コミュニケーションプラン)は本質をとらえているか」→
「ターゲットの感情を震わせ、行動変容につながるか?」普段業務でプレゼンを受ける際にチェックしている項目ですが、多くの方が網羅できていましたね。
授業やバイト、プライベートで忙しい中、この課題に真摯に向き合ってくれ感謝です。
みんなが目指している広告業界は多くの人に「感動」を与える事ができる職業です。
僕は「感動」は「感情をゆさぶり、気持ちを動かす」事だと解釈しています。
今回プレゼンはそこにも合致したアイデアが多かったと感じています。
みなさん本当にありがとう。
いつかこの業界で一緒に、世の中に感動を届けましょう。
最後に、、、、。マーケッターも結構よい職種ですよ。ぜひご検討を!
須田 和博
今回の課題演習で、一番重要だったのは、出題者であるホーユーの加藤さんの第1
講座の中で行われた「セルフカラー使用体験」の時間だったと思います。あの瞬間
、設定ターゲット通りの年齢であるセルフカラー未体験者だった受講生の皆さんが
「体験者」になった。そして、その瞬間に「あ、こういう感じなんだ」と、実感と
して課題商品のことが「わかった!」ということ。あれ以上の学び体験は、ないだ
ろうなと、会場を歩き回って皆さんを観察しながら思っていました。
今回は「セルフカラー」が課題だったことと、受講生が全員女性だったことなどが
重なって、学びの場全体の「一体感」が例年になく強く感じられました。そのノリ
が皆さんが発案してきたプレゼン内容にもよく表れていたと思います。案が強い。
勢いがあって思い切りが良い。同世代だからこそわかるツボがある。など、とても
良いバイブスに満ちた熱意あふれる時間だったと思います。
そのホットな学びの場の中で、第1講義の終盤に行われた「Q&A」コーナーで訊
かれた数々の質問が、皆さんの内面の戸惑いを象徴的に表していると感じました。
例年、この「Q&A」は採録されることもない、その場限りのフリートークに近い
ものなのですが、今回ふと、毎年訊かれるような「普遍的な問い」を記録してみよ
うと思いました。以下、自分の当日のメモから問いと自分の答えを書き起こしてみ
ます。
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Q:企画が却下された時に、諦められますか?諦められない時、どうしますか?
A:アイデアのコアを活かして、他の仕事で使うもよし、自分で自主制作で作っちゃ
うもよし。
Q:強いアイデアかどうか確かめる時に、何人の周りの人に訊きますか?
A:2〜3人で十分では。むしろ大事なのは「客の話をよく聞いて、その通りにする
な」の教え、だと思います。謙虚に傾聴するけど、判断軸は自分。これに関連して
、美大生の鉄板の悩みとして「ヒトの評価にしたがうべきか?自分の感性にしたが
うべきか?」という、必ず訊かれる質問がありますが、自分はいつも「それは
、ORじゃなくて、ANDだろ」と思います。二択じゃなくて、両立じゃないと、生
きていけないはず。
Q:アイデアに行き詰まった時、どうしますか?
A:寝る。酒飲む。歩く。「コトバ × コトバ」で強制発想する手も。でも、まあ、
いったんは「もうムリ!」ってとこまで、苦しんで考えるべきです。
Q:自分自身の案を没にするタイミングは、いつですか?
A:自分の案を客観的に突き放して見るのは大事ですが、発想を「自主規制」してア
イデアが出てこない状態になるのは良くない。自信や自己効力感がないと「コレっ
て面白いのかなぁー、つまらないと思われるんじゃないかなー」と自己否定と自主
規制がおこってアイデアが書けなくなります。迷って書かないのではなく、書いて
から迷うべきです、絶対に。「プライドが許さない」と自分に言い聞かせてるかも
しれないけど、単に「自信がなくて恥ずかしい」だけです。「アイデアとは本来、
恥ずかしいものである」と知るべき。それが、スタート地点です。
Q:独創性を身につけるトレーニング法は?
A:「気づく」体質になる。そのための「習慣」を身につけること。難しいことでは
なく、身のまわりで「気になる」ものをメモしたり写真撮ったりして「なぜ気にな
るのか?」を「コトバにして、書き留める」こと。これをひたすら続けて、ストッ
クする。そのメモが直接、アイデアのネタにならなくても、ストックする習慣がや
がて「発酵」を生み、その人らしい「独創性」になるはず。
Q:自分の考えた企画をクライアントにプレゼンする時に、どう思っていますか?
A:これ以上の素晴らしい案はない!と思っています(笑)。それはともかく、「自
信の根拠」を身につけるために「コレ、いいじゃん」と言ってもらえる機会を多く
得られるように、自分から仕掛けていくのは大事だと思います。
Q:デザイナー志望ですが、デザイン以外にどんなスキルを持つべきですか?
A:広告デザイナーに関していえば「コピー書ける」スキルは、かなり大事です。ま
た、漫画家志望の学生に「良いマンガを描きたければ、マンガ以外のものを良く見
ろ」と言うのと同じで、ネタは常に自分の専門領域の外にある。そして、デザイナ
ーという職種に関しては「新しい技術に興味を持って、原理を知りたがる」のは、
普遍的に大事だと思います。
Q:自分が思いついた「良いアイデア」を「確信」に変えるものは何ですか?
A:(これは加藤さんの回答を引用します)商品を出す時は、調査。ただし、定量調
査が100%じゃない。ターゲットとの対話と考察を重ねた経験値からの「読み」で
、必ずしも1位を選ばない。半年後に化けるには、それが大切。
Q:アウトプットは、どの程度カタチにするのが良いのでしょうか?
A:プレゼンは「印象点」があるから「受け手を驚かそう!」という企みは大事。「
どう勝つか?」という作戦も、プレゼンにおいては企画の内だと思います。
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皆さんの世代は、須田が学生時代を過ごした昭和と平成の狭間とは違って、インタ
ーネットとAIでほぼ全ての既存情報を調べることが可能です。昭和の頃の「たまた
ま出会った限られた情報だけ」を元にして自分の勘を頼りに、考える前に飛び込む
ような時代では、すでにない。それは理解した上で、ではすべて検索した先で競合
他者に対し、どう優位性を作るのか?その思考を、どこから仕入れるのか?
インターネットもレンタルビデオ屋もない時代に、アパートに電話さえ引いてなか
った自分のような学生は、インプットを完全に遮断して、自問自答と自主制作だけ
に没頭することが可能でした。それは「ひとりよがり」を生む面もあったと思いま
すが「成長プロセス」としては必須だったのだろうな、と思います。今のように
、SNSでの他者の承認カウントや誹謗中傷、また自分にはどうすることもできない
ような混沌とした世界の理不尽などが、ひっきりなしに手元のスマホに配信されて
くる環境で、自分を律して、個性を見つけなければならない皆さんの世代は、昭和
世代には想像もできないストレスがあるのだろうと思います。
これから、AIの進化と普及によって、仕事や思考など「人間の創造性とは一体何か
?」ということが問い直されるはずです。その時、最新の便利ツールや情報環境、
ますます混沌とする世界に振り回されない「太い自分の軸」を若い時期に獲得した
人が、どんな状況が来ても変化に対応して生き残っていけるのだろうな、と思いま
す。
このワークショップに参加して、考える楽しさ、問う楽しさ、提案する楽しさに接
し「コレって、面白いな!」と感じた皆さんは「太い自分の軸」に出会う入口に立
っていると言えます。面白く、楽しく、生き生きと、問い、考え、提案して、生き
ていってください。皆さんの輝かしい未来に期待しております。
𡈽橋 通仁
株式会社電通 中部オフィス
今年の学生ワークショップもマーケティングやプランナー・デザイン・アートディレクションを学びた
い学生から、そうでもない学生まで(笑)。幅広く集まり楽しかったです。
第1講座では私も登壇させていただき、信頼するスタッフ達とのチーム仕事を紹介。アワードなど
でたくさんの評価を得たり、売上数字を伸ばしたりした企画の作り方や、そのアイデアが生まれる
背景を丁寧に説明しました。学生のみんなには、我々プロがアイデアからカタチにするまでの試行
錯誤と工程に「もがき」や「ねばり」などの泥臭さがあることに驚いたのではないでしょうか?そこが
大きな刺激になったと自負しています。
アンケートを拝見しても講義の中で語った「もう一歩、アイデアを広げる」「置きにいかない」という
言葉が、多くの学生の心に残ったようでした。ある学生は、「私はこれまで、60点のアイデアを無
難にまとめることを目標にしていたが、それ自体が思考を止めていたのだと気づいた」と振り返っ
てくれていました。また別の学生は、「自分の考えに自信を持つことが大切だと言われ、今まで避
けてきた“自分の視点”と向き合おうと思えた」と記してくれていました。加藤さん、須田さんと設定し
た「ぶっ飛ぶ」という表現指標においても、単に奇抜になることではなく「なぜその方法なのかを説
明できるところまで考えること」「条件や制約を言い訳にせず、発想を止めないこと」だと受け止め
た学生が多く見られたことは、我々講師陣にとって最高に嬉しかったです。
「課題を知ってからどうしていいか分からなかったが、考え方の幅やジャンプの仕方を具体的に教
えてもらえたことで、“少し前に”進めた」という声もありました。“少し前に”って部分が成長の証です
ね。プロの世界での表現設計の難しさを実感してくれたんだなと嬉しく感じました。
第2講座では、学生の皆さんが約1か月かけて練り上げた企画を発表。毎年ビシビシとみんなの
緊張が私たち講師陣にもつたわってきています。我々もちゃんと審査するぜ!って気迫は持ちつ
つ。実は緊張してるんですよ(見えないでしょ?笑)。
初めて大勢の前でプレゼンテーションを行う学生も多かったですね。「怖さはあったが、来てよかっ
た」「うまくはいかなかったが、本気で考えた経験は残った」という感想を第2講座後のアンケートで
くれています。我々講師陣からの講評を通じて「もっと考えられた」「まだ先がある、と気づけたこ
と自体が学びになった」という声が印象的でした。我々も学生のみんながアンケートで書いてくれ
る言葉に元気をもらっています。私だけではありません。大役であるクライアントのhoyu加藤さん
、そして毎年名古屋に来てくれている大先輩の須田さん。毎年全力でサポートしてくれている協
会の皆さんや、新東通信の皆さん。この温かい大人は、学生のみんなが業界に入ってからも必
ず応援してくれる人たち。(私もね)。毎年このワークショップを通じて、学校の先生達やこういっ
た育成サポーターの素晴らしい大人たちの熱量がすごい業界で嬉しくなります。
来年参加を考えてくれている学生の皆さんへ>>
このワークショップは、完成度の高さを競う場でもありますが、今年の参加学生が書いてくれてい
るように「悔しかった」とか「もっとできた」とか・・・考え続ける姿勢を大切にする場です。
ぜひ一歩踏み出す行動を選んでください。
自分なりに考え抜いたアイデアをカタチにしているうちにきっと次に見えてくるものがあります。私
たちと一緒に成長する場に来てください。
皆さんの先輩たちもこの場で刺激を受け、業界に入り。今私と一緒に仕事している人たちもいま
すよ。学生のみなさんが第一線で活躍してくれることを応援していきます。